2006年12月31日

0泊4日のオーロラハンター − 後編 −

前回に引き続きオーロラの旅の完結編。


《フォートマクマレイ》


今日はクリスマスなので、日本から来たと言えばクリスマスプレゼントとして石油をシェアさせてくれるかもしれないとか、コップ一杯の石油は頼んだらいくらで売ってくれるのだろうかとか、帰りのガソリンを卸値で売ってもらおうとか、バカなことを話しながら石油地帯の見学を終えた我々は腹ごしらえをしようと考えた。

ここで始まったのがRyuさんの料理長企画だった。
白米とガスコンロを持参していたRyuさんは雑炊を提案する。
我々に断る理由はない。
次は雑炊のためのスープが必要だ。
面倒くさいのでカップラーメンを作り、その残り汁で雑炊をやろうという話になる。
早速1件だけ開いていたコンビニに行き、カップラーメンを大量に買い、店内でお湯を入れ、スープを飲まないように麺だけすすりながら外に出て、鍋に残り汁を集め、人気のない場所に移動する。

寒空の下、ガスコンロに火をつけしばらくすると火が消える。
ガスが足りない。
そして企画終了。
結局、雑炊という名の残飯はそのまま畑の肥料に変わり、また先ほどのコンビニに戻りおとなしく各々軽く腹ごしらえを終えた。


そうこうしているうちに日も暮れてきて、我々のオーロラへの期待は自ずと高まった。

明かりの全くないところへ行かなければいけない、という情報を得た我々は、フォートマクマレイよりさらに数十キロ北上した。
路肩に車を止めひたすらオーロラ出現を待つ。

ここで我々はカナディアンの温かさに触れることになる。
しばらく止まっていると、向こうからやってきた車が我々の車の隣で止まり、“大丈夫か?”と声をかけてくるようになる。
しかも来る車来る車声をかけてくる。
いったん我々を通り過ぎた車がまた戻ってきて大丈夫かと我々の車の窓を叩くようになる。
彼らのやさしさはうれしかったが、カナディアンに心配される日本人ってどうなんだ。。。とやるせない気持ちになる。


4時間ほど待ち続けるが一向にオーロラは出現しない。
しょうがないので男6人でしりとりを始める。
オーロラ→ラッパ→パイナップル。。。と他愛もない時間が流れる。
我々がしりとりをしている最中も、我々を心配するカナディアンが声をかけてくる。
“大丈夫か?”、“オーロラを待ってるんだ”、“そうか”、“この辺で見れるだろうか?”、“もうちょっと北へ行ってみてもいいかもしれないが多分もうこのあたりで十分だ”、“そうか、ありがとう”、“オーロラ見れるといいな、じゃあな”、“じゃあ”、というようなやりとりをこれでもかというほど繰り返し、その間も我々のしりとりは中断されることなく続けられた。

結局このしりとりはKeitaくんの“リットン調査団”の一言で終了した。
あの冷静なKeitaがうっかりすることからもわかるが、我々の脳は疲労でいっぱいだった。
そうでなければそもそもしりとりなどしない。
オーロラはまだ出現しない。


半眠状態のまま時が流れる。
HiroさんとRyuさん以外の4人は半ばあきらめ眠ってしまった。


Hiroさんの“おい、お前ら起きろ”の一声で目を覚ます。
外を見ると知らない場所にいて、さらに北上したらしい。
“オーロラ出たぞー”とRyuさんとHiroさんが車から飛び出し、もそもそと4人が動き出す。
そして6人でオーロラに向かって走り出す。
“このオーロラ企画成功だ”とHiroさんが寒空の中叫び、我々もよかったよかったと一安心する。

しばらくして車で移動したほうが早いという当たり前のことに皆気付きまた車に戻りオーロラに向かって走る。
カメラをもって駆け出していった森くんは行方不明でここでも放置民となる。
そして今回の企画の一番の名言でありハイライトでもある<森くん轢くなよ!>が生まれる。
しかし我々6人しかわからないおもしろさなのでここでは深く触れない。

オーロラの出現時間はおよそ3分〜5分。
一本緑色の線が出たと思ったらそこからその光が動き出し消える。

興奮したまま車に戻りしばらく空を眺めていると、“あの光怪しいな、もう一発来るぞ”とHiroさんがつぶやく。
驚くことにその予言どおり再度オーロラが出現する。
今度はさっきより大きい。
一度オーロラの出現する様子を見ただけで、オーロラ出現が予言できるようになったHiroさんを本当にすごいと思う。
私は星空満開の夜空も手伝って、“一度見た技は一度で覚え、二度とくらわない”という聖戦士星矢の名言を思い出した。


こうしてオーロラハンター企画は成功したのだった。


さらにもう一つイベントがある。
今日25日クリスマスは伊藤くんの誕生日だったのだ。
我々はコンビニで買った菓子パンケーキを伊藤くんに渡し、19才の誕生日を祝った。
クリスマスにオーロラの下で誕生日を迎えるのは贅沢なことだと思った。



《帰路》


オーロラ出現後、しばらく放心状態になる。
疲れがどっと出る。
日付は26日に変わり、興奮おさまらぬまま帰路につく。

深夜のフォートマクマレイを走っているとまたもやポリスに捕まる。
Ryuさんが運転しているとなぜかポリスのお世話になるのだ。
しっかりいつも通りノーザンライツを見に来てどうのこうのという話をして納得してもらう。
この旅で我々はポリスに捕まり慣れたのだった。

エドモントンのコンビニで2時間ほど休憩し、今日がボクシングデーということもあり、世界最大のモールに寄ろうという話になる。
遊園地がモールの中にあったりするわけだが、結論から言うと、このモールは大したことがなかった。
フードコートで昼食をとろうにも何ら魅力的なものもない。
ここが世界最大なんて認めない、バンクーバーのメトロタウンのほうが全然いいじゃないか、というようなことを口々に言いながらさっさと出る。

カルガリーでは1時間ほど各自自由時間をもらってふらふらする。
しかし、ダウンタウンまで足をのばした私以外は何て何もない街だと30分ほどでギブアップ。
やはりカルガリーは仕事の街であって観光の街ではないと納得。

バンフではこの旅唯一の高級料理を食べる。
アルバータ牛である。
一人40ドルほど払い食べた牛は、“やっぱり和牛の味を日本人は知ってるからね”という感想。
日本人にうまいと言わせるのは至難の業なのだ。
食後は毎日ジャンクフードを食べていたせいか、普通の料理を食べるとお腹の調子が悪くなる病にみんなかかり順次トイレに駆け込む。
この旅で一時的に胃も小さくなったのかもしれない。

バンフからカムループスに向かう道では、大雪に見舞われる。
雪道専門のKeitaくんがハンドル操作を誤り、危うくガードレールに激突しかかる。
何回かハンドルを切り車が右へ左へ滑っていく。
私は助手席に乗っていて大爆笑している。
ピンチになると笑う癖が私にはあるのだ。
私の笑い声でRyuさんが目を覚ます。
これ以降、私が笑うたびにRyuさんは命の危険を感じ、疲れているにもかかわらず眠れなくなる。
ちなみに、フロントガラスの汚れをとろうと運転中に中から窓の外に水をかけるも、誤って後ろに座席で寝ていたRyuさんにかかりびちょびちょになる事件もKeitaくんは起こしていて、そのときも私は大爆笑していた。
私の大爆笑=Ryuさんの不幸 という構図がこの旅の方程式である。


そして命からがらバンクーバーに到着したのが27日のお昼過ぎ。
ドロドロに灰を被ったようになった真っ白な車をみんなで掃除した。


バンクーバーのダウンタウンを走る我々は、ダウンタウンを歩く人達を見て、何て生ぬるい弛んだ顔をしているのだろうと思った。
この旅で我々は原始的な生命力のようなものを学んだ。
 グレハンに乗ってユースに泊まりながら旅をしているうちはまだ甘いのだ。
企画を事あるごとに立て続けて、構成も段取りよく進めて、絶対にその企画を倒さない覚悟で模索しながらやりきると楽しいことがわかった。
一緒に旅に行く人しだいで旅というのは全然違うものになることも当たり前だが再確認した。
レベルの高い遊びとはどういうものか勉強になった。

 4日ぶりのお風呂は何にも変えがたいものだった。


ж この旅で我々が支払ったお金はレンタカー代も込めて各自200〜300ドル程度。
 ツアー会社によるオーロラツアーに申し込むような観光業の奴隷の群れをもう私は叩いたりしない。
 支払ったお金の量と学べる量が全く反比例していることが今回の旅でも証明された。
 実際英語の勉強にしてもそうなんじゃないかと気付く人は気付いている。


ж 前編でレイクルイズを書き忘れた。
 深夜のレイクルイズでは凍った湖の上でスケートやアイスホッケーを楽しむ人達がいて、何て贅沢な人達だろうと思った。
 リッチピープルでない我々は、不侵入者と思われてライトで車を照らされたりしていた。
 闇の中で滑っている人よりもスポットライトに当たった我々のほうが断然輝いていたと私は思った。







posted by da-i at 17:40| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。
充実した一年になりますように!

それにしても、こういう話を聞くと
男に生まれたかったなぁ・・・とよく思います。
女の子って突発的な「バカ」ってヤツを
なかなかできないものだから。
(私はできるが一緒にやる女友達がなかなかいない・・)

さて、今から母親の家にお雑煮食べにでかけるので。
またねー。
Posted by かおりんこ at 2007年01月01日 11:27
 男も女も関係ないでしょう。
 決してバカをやろうとしてるわけじゃなくて、ゴールを掲げてそこに何としてもたどり着く練習みたいな感じです。
 遊びでも仕事でも、これ無理なんじゃないかくらいの企画を立てて、やりきっちゃうと気持ちいいからね。
 車でオーロラ見に行くなんて、要所要所で決断力は必要だし、疲れていく体との戦いなのでかなりスピーディーな段取りも必要だし、仕事と遊びはつながってるなと思った。

 出来上がったお雑煮食べてるうちはまだ甘いですよ。ぼくらはこれから雑煮を作ります。ちなみに昨日は年越しそばを一から作りました。そば粉をこねるところから始めて、年の変わる寸前まで黙々とそばを打ち続けました。
 
Posted by da-i at 2007年01月02日 01:39
参りました・・・
自立した男!って感じだね。さすが!

人を褒めてないで自分も頑張りますっ。
Posted by かおりんこ at 2007年01月02日 14:23
あけおめ。今年も一つよろしく。人の不幸って笑ってしまう事あるよね(笑)
Posted by yu at 2007年01月03日 12:37
 かおりんこさん

 今年の目標は“自立”を超えて“野生に帰る”です。“Get Wild”及びに“Self-Produce”という感じで。

 
 Yuさん

 明けましておめでとう。今年も1つどころか2つも3つもよろしく。
 この前は電話ありがとう。
 1月を乗り切って2月に会えるのを楽しみにしてます。
Posted by da-i at 2007年01月03日 18:02
お久しぶりです。

楽しそうなことしてますね。参加したかった。

この度自分のブログ作ったので、ぜひぜひリンクしてください。

http://ameblo.jp/koki-susuki

よろしく〜♪
Posted by こーき at 2007年01月07日 13:14

 こーきくん

 美和さんのブログでこーきくんの新しいブログを知って、早速このブログに勝手にリンクでも貼ろうかなと思っていたところでした。

 もともとこーきくんと出会えたのはMrのおかげなのでここでもまたMrに感謝です。
Posted by da-i at 2007年01月07日 18:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。